地球上に生息するアリの総数は二京匹に上るという研究結果が、米国科学アカデミー紀要で発表されました。
アリは、人間1人に対し約250万匹いることになります。
研究の共同著者である独ヴュルツブルク大学と香港大学の昆虫学者パトリック・シュルトハイス氏は、
「アリは栄養循環、分解プロセス、植物の種の散布、土壌のかく乱に非常に重要。何よりその数の多さが生態系の重要な担い手になっている」
と指摘しました。
アリは南極大陸、グリーンランド、アイスランド、一部の島国を除きほとんどの場所に生息し、1万2000種以上いるとされています。
アリが生息する全ての大陸にまたがる個体群に関する研究489件に基づいて分析を行ったが、
アフリカなどについては、データが少なく研究は不十分とされています。
シュルトハイス氏は、大半のアリは人間にとっても非常に有益な存在だとし、
「2京匹のアリが運び、取り除き、リサイクルし、食べている有機物の量について考えてほしい。
実際、アリは生態系エンジニアと言えるほど、生物学的プロセスの円滑な運用に不可欠な存在だ」と述べられました。
普段、何気に見ているアリですが、地球や人間にも有益なことをしてくれていると知ると考え深いですよね。